2018.10.27

Good Onの人達のコト。

彼等は、謙虚にこう言っていた。
「僕等は、特別な人に、特別な日の特別な洋服を作るのではなく、
普通の人に、普通の日の普通な洋服を作り続けたいんです」と。
きっと彼等は知らない。
それを20年間、続けてきた事が既に普通ではなく、
とても特別な事だと言うことを。
そんな彼等の生地や工場、染工場を使い、共に製品を作れる事を心から有り難く、幸せに思う。
 
18SUcollectionでもGood OnとコラボレーションしたEEL Productsの定番カットソウの「ユーティリTee」とGood Onの代表的アイテム「Rough Crew Sweat」を融合させた最高のトレーナーが誕生しました。
コットン100%の裏起毛フリース状で保温性の高い9ozスウェット生地を使用し、着心地もフワッとした柔らかと温かみがあります。また生地に性質上、静電気が起こりにくく、Good On定番のフレンチテリー(裏パイルスエット生地)よりもさらに伸縮が少なく丈夫で伸びづらいので、冬場の重ね着での使用もストレスが無く安心できる着心地を実現しました。
このデイリーに着まわせるファブリックを使って、EEL ProductsのユーティリTeeのデザインをL/Sに落とし込みました。フロントの2つの大きなポケットのカーブ部分は、表にステッチを出さない中縫いにすることで、よりフワッとしたこの生地感を表現できています。
EA-18575 ユーティリティトレーナー×Good On       ¥13,000-
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↓型は違えど、同じフレンチテリーの生地で作られたGoodOnのパーカ。
5年間でここまでキレイに色落ちし、生地はより目詰まりを起こし、世界に一つのモノに仕上がる。IMG_1223
『Good On』
アメリカが大量消費時代に入る以前の衣料品は生地・縫製の質に優れ、何十年も昔の製品が古着としての価値を得て今も多く残っています。
こういった製品の、今もなお着続けられるほどの丈夫な作りや、愛着とともに増していく風合いに魅了されて、Good Onの製作がスタートしたのは1997年のこと。
質より量を求めるアメリカの現状において、こだわった物づくりに対して熱くなってくれる工場や生地屋は存在するのだろうか?この難題をクリアすることから取り組み、以来20年にわたって品質と技術を高めながら、全てにおいてこだわった古き良きアメリカの名品を今に落とし込み、毎日何気なく袖を通したくなるような究極のデイリーウェアを生み出し続けています。
http://www.good-on.com/concept.htmlIMG_2029

2018.10.25

『Tied Up Please』・・・ネクタイをしませんか?

皆さんはどんな時にネクタイを結びますか?
もしくは最近いつ結びましたか?
結婚式。大切な方と会う時。何十年ぶりの同窓会二人の記念日。
お仕事で毎日結ぶヒトもいらっしゃいますが、仕事の性質上、年に数えるくらいしかネクタイを結ばないヒトは僕を含め意外と多いのではないのでしょうか。でもできれば、「普段も素敵だけど、ネクタイした姿もやっぱり素敵だね」と言われたい。
そんな方の願いを叶える事ができる要素が、Jacketやshirts、tieに想いを込めた”Tied Up Please”。是非店頭にてご覧くださいませ。
2018AWの新たな生地提案は、グレンチェックとヘリンボーン。今年の秋冬はブリティッシュトラッドが、とても今の気分。Tieのウインザーノットでも知られるファッショニスタだったウインザー公がこよなく愛したグレンチェック。しかもEEL Productsでは、グレーのグレンチェックではなく、温かみとクラシカルなブラウングレンチェックを提案します。
ET-18160A Stylishman 3piece¥100,000-   ET-18160B Stylishman 2piece ¥80,000-
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2018.10.19

毛玉にならないニット

このノルディックセーターとノルディックハイネックは、全くと言っていい程に毛玉ができない。
もう昨年のノルディックシリーズをお持ちの方には共感していただけると思うが、本当に毛玉が全くできない。そりゃ良く見ると1シーズンで1つや2つはできると思うがでも本当にその程度。
別に毛玉ができるニットが悪いわけではなく、欧米では毛玉ができることが良いセーターの証であり、毛玉ができることがニットを育てること、なんて話も聞く。確かに味があってそれはそれで良いとも思うが、でも心の奥のどこかに毛玉ができるとちょっと残念に思う僕がいる。これもやっぱりできたか…まあ仕方ない、だってそれがニットだもん…。
そんなことを考えながら、17AWにこのノルディックセーターはどうなんだ?と僕は袖を通した。五回くらい着てそろそろ毛玉ができているかとノルディックセーターを見たら、驚くほど毛玉がどこにもない。そこで悪ノリした僕は年末に実家のコタツでわざと子供とゴロゴロしてみたが、それでもできない。そればかりかこのニットは本当にウール100%かと思うほどに型すら崩れなかった。
なぜこのニットは毛玉ができないか気になり過ぎた僕は見附のニット工場の方に、なぜこのニットは毛玉ができないのか?毛玉になるニットとならないニットの違いとは何か?を聞いてみた。そしたらニッターさんから返ってきた言葉が「私達もわからないんですよ。」「!?え…。」
ニットには何百の糸の種類があり、何百通りの編み方がある。なので何万通りのニットが存在するんです。だから全てはやってみないとわからないとの事だった。僕は唖然とした。じゃあ僕らは偶然その奇跡の確率で、毛玉にならない糸と編み方に出会ったってこと…。なんて凄いことだ!そんなことを思い出しながら、もうすぐ僕のノルディックセーターは2年目の冬を迎える。
さあ、今年はどうだ?
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↓上の袖が新品。下の袖が2017に着倒した私物。袖下にほとんど毛玉がない。
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2018.06.02

魂ハ細部ニ宿ル。を終えて。後編

5月12日(土)から5月20 日(日)まで、EEL Nakameguroで開催された<ミャオ族の刺繍展>。
今回、この展示会を開催してくれたミャオ族の服や布を買い付けられている坂井氏に、ミャオ族とは一体どのような民族であるのかをインタビューした後編。
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「邪気は布目から入ってくる」
―なぜミャオ族は、生地や服にここまでの高密度な刺繍をするのですか。
彼らは、「邪気は布目から入ってくる」という古来からの言い伝えがあるんですよ。だから隙間を作らずに全部に刺繍をして、その邪気をはねのけるものとして刺繍をしたんですよ。母親が自分の子供を守るために、子供用の帽子や背帯に細かい刺繍をしたものが多く有るんですが、それもそういった子を想う母親の願いが込められてるんですよね。ミャオ族以外ではインドでも、ミラーワークというガラスをあしらった生地がありますが、あれも同じように邪を祓う、跳ね返すという意味がありますね。
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「彼らは、わざと完璧には刺繍しないんですよ」
とても興味深い話があるんですが、彼らはたとえばこの刺繍一つ作るにしても絶対完璧には刺繍しないんですよ。どこか一箇所わざと残したりとかね。それはなぜかというと、完璧なものを作っちゃうとそれは自分の命が終わるときだっていう考え方がミャオ族にはあるんですよ。だからどこか一つ絶対にわざと刺繍のパターンを変えたり隙間をわざと開けたりして、完璧に作れるのに作らないんですよね。常にそこに余白を残すことによって生命の終わりを迎えないようしているんでしょうね。彼らの世界はアニミズムの世界ですから、目に見えない悪いものがいっぱい周りにいるのを感じるんでしょうね。そういう意味で刺繍にもそういう思いを込めているし、信仰みたいなものを彼ら大切にしていますよね。
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「坂井さんは、へそ曲がり?」「強いものより弱いものが好き」
―坂井さんは、なぜミャオ族のような少数民族に惹かれたのですか。
たぶん自分の性格っていうか、ちっちゃい頃から元々へそ曲がりというか、みんなが右って言ったら僕は左が好きだし。強いものより弱いものが好きだったりとか、そういうひねくれた根性はたぶん昔からあったんでしょうね。そういう中でやっぱりみんながやるものは嫌だとか、みんなが行く方向は嫌だっていうのがあったし、そういう時にミャオ族の刺繍と出会って、なおかつ彼らが歴史の中でそういう過酷で迫害されていた時期があって、ミャオ族は弱い人達だったわけですよね。やっぱりどうしても心情的に惹かれるというか、尚且こんだけ素晴らしい技術を残しているわけですから、たぶんその辺からミャオ族に限らず少数民族全体に、魅力を感じるようになったと思いますけどね。だけどたぶん元々は僕のひねくた性格でしょうね。
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―ミャオ族以外で今後アジア以外でも掘り下げていきたいところってあるんですか?
基本的にはアジアでしょうね。アジアの中を深く狭くになっていくと思うんですよね。たとえば中国以外であればミャンマーとか、まだ中国に比べたら品物も残っている気がするし、技術ももっと高いですし、だから進むとすればそういう方向だと思います。ミャオ族以外でも世界にはもっとまだ知られてないすごい技術を持った民族や場所があって、でもこのままいくと知られないまま埋もれて衰退してしまう様なものがまだあると思うんですね。まあ、微力ですけど、そういった少数民族を皆さんに知ってもらえるようなPRになればと思いますね。かと言ってそんなにメジャーにはなってほしくないしね。 知る人ぞ知る、その中でやっていければいいような気がしますけどね。
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今回のミャオ族の刺繍展で、私達は坂井さんを通してミャオ族の想いも知ることが出来、そのミャオ族と通して坂井さんの人柄を知ることができた。
今回の記事には載せていないがインタビューの中で坂井さんは、ミャオ族の刺繍をできる女性に高齢化によりこの刺繍の技術が若い人々に受け継がれていくことは難しく、この素晴らしい刺繍技術はおそらく衰退してしまうであろう…と、物寂しく言っていた事が印象に残っている。たしかに、現代の中国は抗えない近代化の大きな波や経済至上主義などの背景の中で、本来技術を引き継ぐべきである若者は現金収入を得る為に村を出て都市へ行ってしまう。そんな状況の中、途方もない時間と労力を必要とする彼らの刺繍を継承して行くことはきっと困難であろう。
何千年もの前に漢民族に敗れ山岳地帯に追いやられ、長きに渡り迫害され続けながらも心優しいミャオ族。決して王への献上品や商売のためではなく、守りたい我が子や家族がいるから祈りとともに施された刺繍たち。

私達には坂井さんは、ミャオ族の刺繍がチョウチョお母さんのように大きく羽を広げ、ふたたび空高く飛び回る日が来る事を待ち望んでいるように見えた。もしくはいつかミャオ族の刺繍がこの世から消えてなくなってしまう日が来てしまっても、せめて一人でも多くの人の心中に彼らの刺繍技術と彼らの想いを記憶として残してもらえるよう、謙虚にしかし強い意思でミャオ族と向き合っているように私達には思えた
ちょっと言いすぎかもしれないが、坂井さんは「弱きを助ける、少しだけヘソ曲がりな心優しいヒーロー」なのかもしれない。
中国少数民族の服飾Miaomiao
坂井 昌二
福岡県出身。学生時代から中国文化の興味を持ち、ミャオ族に出会い彼らに魅せられ30代に会社を辞め、中国少数民族の文化に陶酔する。年に数回中国貴州省に出向き買い付けをし、中国少数民族のモノツクリを世に伝え続けている。彼を信頼する日本のコレクターは多く、PORTER CLASSICの創立者 吉田克幸氏とも親交が深い。
miaomiao@onyx.ocn.ne.jp
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2018.05.25

魂ハ細部ニ宿ル。を終えて。前編

5月12日(土)から5月20 日(日)まで、EEL Nakameguroで開催された<ミャオ族の刺繍展>。
ミャオ族を知らないEEL Nakameguroのお客様も、弊社ブランド知らないミャオ族コレクターの方々も、さまざまな方々にご来場頂き大変賑わった2週間となりました。
また、我々EEL Productsにとっても”ヨウフク”という枠を大きく外し、身にまとうという単純な”フク”という幅広い世界を見せてくれたミャオ族の服たち。
今回、この展示会を開催してくれたミャオ族の服や布を買い付けられている坂井氏に、ミャオ族とは一体どのような民族であるのかを訊ねてみました。
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「ミャオ族の歴史は、長い迫害の歴史だった。」

―ミャオ族とはどういった民族なのか、実際に会ったことのある坂井さんから教えて頂けますか?
中国は全部で56の民族がいて、漢民族が1つの大民族で残り55の少数民族がいるんですけども、ミャオ族は少数民族の中でも割りと人数の多い少数民族で、中国に800万人位いるのかな。
あと東南アジアにも、タイとかラオスとかにも点在している部族なんですね。彼らの歴史はものすごく長くて、それこそ漢民族と同様、それ以上に古い民族ではあったんですけども、えーと….(沈黙)、ミャオ族の歴史を一口で言うとずーと迫害歴史なんですよ。もともとは中国のもっと良い所っていうか、チュウゲンって呼ばれるんですけども、まあ中国の一番肥沃(ひよく)な地域に住んでいたんですけども、そこにいわゆる漢民族がダーと入ってきて、今からどれくらいなんだろ?4000年前くらいかな、ものすごい過酷な戦いがあって、結局その戦いに負けて漢民族に追われ追われして、だんだん西へ西へこう移動してきたみたいなんですね。でまあ最終的には今住んでいるような貴州省とかあと東南アジアの方ですよね。IMG_5564
―やっぱり、山間部というか平地では無いところに逃げてきたって言うことですか?

そうですね。辺鄙なところにずーと追いやられてしまっている民族ということですね。
その歴史の中で、現代社会とずーとズレが続いてしまっているわけですよね。秦とか唐の時代になっても、100年200年くらい前までもずーと続いてしまったんですよね。
で彼らも結構何度か抵抗もするんでするんですよね。大反乱とかを起こしたりするんですけれども、戦いで民族の1/3が死んでしまうような、過酷な運命に有る民族なんですよね。
まあ、今でもかなり迫害されてますけども、そういう民族ですね….。ミャオ族ってのはね。
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―そうなんですね…そのミャオ族の民族性や性格ってどんななんですか?

あ〜自分の個人的な印象なんですけれども、ミャオ族はとても穏やかですよね。
漢民族とかチベット民族と比べてもですね。まあ体系的にも小柄ですし、男性も女性もみんなちっちゃいんですよ。
男性でも平均170cm以下かな。そして、性格もほんと穏やかで悪い印象はないですよね。
おそらく、血がタイやラオスの穏やかな民族に近いんですかね。
でも、たぶん怒ったら絶対に怖いですよ、彼らは。笑
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― 坂井さんとミャオ族のモノツクリに出会った時のお話をお聞かせください。
そもそも学生時代からタイやラオスや中国などに行ってまして、その時に少数民族の存在を初めて知りました。
でも20年前に会社をやめて中国で二年間語学の勉強をしたときは、正直ミャオ族の存在は知らなっかたんですよ。たまたま中国の南西部に行った時に、ミャオ族の布を扱う人と出会って飲めり込んでいきましたね。
なので、直接ミャオ族と会ったとかのインパクトの有る出会いでなく、彼らの作るものと先に出会ったって感じでしたかね。
初めて見たときは、そりゃもう、なんじゃこりゃ~って感じでしたね。
で、その間は毎週その方のところに通って通って、これはどの地域の何族だとか、染や刺繍の技法を教わっていましたね。
私のような仕事は、なかなか理解や評価はされないですけれども、ただやっぱり学生時代からアジア回っていて縫いや布は好きでしたし、20年前はミャオ族はそこまで日本ではほとんど紹介されていなかったですし、自分で見るのも初めてのモノばかりでとても刺激的でしたね。
実際に着て楽しむ方もいますが、僕はやっぱり見て調べて楽しむって感じですね。
ミャオ族のモノツクリを見ながら、お酒は何杯でも飲めますね。
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「ミャオ族は文字を持たなかった。」

―次にミャオ族の刺繍の意味や、なぜ彼らは刺繍を施すのかを教えて頂けますか?
まあ、先程もお伝えしたとおりミャオ族の長い歴史の殆どが戦いの歴史なんですね。
漢民族と戦って自分たちの故郷を追われ追われ、多くの人々が怪我や病気になったりなど悲惨な歴史がある中、彼らは漢民族みたいに独自の文字を持っていなかったんですね。
おそらく、自分たちの過酷な歴史や運命みたいなものを、なんとか自分たちの後世に伝えようとしたんだと思うんですよ。
その時に、例えばそれは口頭での民話であったり、歌であったりそういうものも有るでしょうし、その伝える手段の1つとして刺繍があったんだと思うんですよ。
だからミャオ族の刺繍はそれぞれ意味が込められているんですよね。だからこそ、これだけ突出したすごい技術が残ったんだと思うんですよね。
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「ミャオ族のお母さんはチョウチョ。」
―刺繍にはそれぞれ意味があるんですか。
ありますよ。漢民族に追われてきた歴史の刺繍や、自分たちの祖先の姿を表現したモノも多いですね。
例えばこれは蝶ですけども、ミャオ族ってのはチョウチョから産まれた民族と呼ばれているんですよ。昔、チョウチョがいて川の水と恋をして、12個の卵を孕むんですね。
で、12年後にその12個の卵がかえるんだけれどもヘビが生まれたり、トラが生まれたり、牛が生まれたり、その中の一つがミャオ族だったんですよ。
だからミャオ族の先祖っていうのはチョウチョ。
彼らは”チョウチョお母さん”って呼ぶんですよ。
(後半へ続く。)
後半では、ミャオ族が我が子を思い精密な刺繍を施す意味と、彼らの刺繍と生命に対する考え方、
そしてミャオ族に魅了された坂井さんとはどの様な人物なのかをお伝えしていきたいとおもいます。
 

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中国少数民族の服飾Miaomiao
坂井 昌二
福岡県出身。学生時代から中国文化の興味を持ち、ミャオ族に出会い彼らに魅せられ30代に会社を辞め、中国少数民族の文化に陶酔する。
年に数回中国貴州省に出向き買い付けをし、中国少数民族のモノツクリを世に伝え続けている。彼を信頼する日本のコレクターは多く、PORTER CLASSICの創立者 吉田克幸氏とも親交が深い。
miaomiao@onyx.ocn.ne.jp