2019.05.24

Touareg Silver Column

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トゥアレグシルバーはサハラ砂漠で生活する遊牧民族「トゥアレグ族」が身につけているアクセサリーです。トゥアレグ族とはアルジェリア・ニジェール・マリの砂漠地帯を中心に周辺諸国にも居住するベルベル系ラクダ遊牧民の事を指します。彼らは「サハラの青い貴族」として、神秘的な青い衣をまとい、かつて広大なサハラに君臨したトゥアレグ族は独自のモチーフを持っており、美しいアクセサリーの製作者として世界にも知られています。トゥアレグ族は金製品を好まず、金を身に着けることは忌まれています。かわりに銀を珍重しシルバーアクセサリーの製作が発展してきました。その表面に刻まれている美しい文様は、それぞれ意味があり、事物、物語、寓意などを象徴しています。特に父から子へと代々受け継がれてきたアクセサリーには、家族の歴史などが文様として刻まれていることもあり、伝統的な工芸品として重宝されています。またシルバーアクセサリーに多いシルバー925(スターリングシルバー)ではなく、純銀に近い純度の高いシルバーを使用している事もこのトゥアレグシルバーの特徴です。その洗練されたデザインと繊細な技巧は、数年前にエルメスのコレクションでベルトのデザインを手がけた事で世界的に有名になりました。トゥアレグ族でも彫刻をできる熟練の作り手が年々少なくなっており、世界的にも希少性が高いものとなっています。またヨーロッパでネイティブジュエリーというとこのトゥアレグシルバーがあげられるほどポピュラーなものとなっています。
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EEL Products Nakameguroで取扱う経緯についてお話しすると、まず日本でシルバーアクセサリーのイメージとしてよくあがるのがアメリカのナバホ族やホピ族のインディアンジュエリーになります。もちろん僕も好きで若いときは身につけていましたが、どうしても歳を重ねるにつれて、デザイン性が高いものやボリューム感が出すぎている主張の強いアクセサリーを遠ざけるようになり、シンプルでさりげなく着用できるアクセサリーをずっと探していました。そこで出会ったのがトゥアレグシルバーでした。トゥアレグシルバーは細身でデザインも控えめなものが多く、さりげなく着用出来ます。また主張がそんなに強くないので、数本の重ね付けや時計などの他アクセサリーと合わせてつけられるのも魅力の一つです。何より僕らの作る洋服とも相性もとても良く、トレンドや年齢に関係なく、長く愛着を持って愛用できるモノだと思い取り扱いを始めました。実際、普段アクセサリーをされない方の入門としても着用しやすく、また僕のように改めてシルバーアクセサリーの魅力を再発見できるきっかけにもなってくれるのではないかと思っています。アフリカ特有のエキゾチックな雰囲気とトゥアレグ族の長い歴史から生まれるスピリチュアルな空気感をぜひ店頭で体感下さいませ。

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5/25(土)から6/2(日)までBijoux Touareg du Saharaと題しましたTouareg SilverのイベントをEEL Products Nakameguroにて開催いたします。

会期中はコレクションラインにはないリング、バングル、ネックレスなどの1点物のアンティーク品から、現代の職人が作った作品が100点以上ご覧いただけます。

貴重なこの機会にぜひご来店下さいませ。