2019.07.30

Araheam Pop Up Shop at EEL Products Nakameguro

アラヘアム01

昨年12月に、鹿児島Araheramにて行われた『LIFE OF THE MARKET』にEEL Productsも参加させて頂き、多くの植物に囲まれたAraheamの世界観を体感いたしました。そして、この夏ついに『Araheam Pop Up Shop at EEL Products Nakameguro』と題してAraheamのPOP UP STOREを8月3日(土)~8月12日(月)の期間、EEL Products Nakameguroにて開催いたします。

 

【Araheam 】
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鹿児島県大隅半島の鹿屋市に、鹿児島の温暖な気候を生かして自社農場で生産した多肉植物や、国内と海外から直接買い付けてきた植物を独自の視点でセレクトし販売。
また、店内には植物に関した道具や、鹿児島の作家さんが製作しているプロダクトを扱うギャラリーとカフェを併設している複合ショップとしてグリーン好きには心躍るお店、それがAraheamです。
今回このイベントの為にオーストラリア原産の屋外用の植物や、屋内でも楽しめるハンキングの植物、エアープランツ。他、鉢などの園芸グッツも特別にセレクトして頂きました。
見た目にもインパクトのある物から、中目黒から持ち帰りやすいアイテムなど幅広く鹿児島から持って来て下さいます。
そして、8/3(土) 8/4(日)の2日間のみスペシャルイベントをご用意いたしました。

 

≪スペシャルイベント≫
*8/3(土) 8/4(日)
Araheamの前原さんが店頭にて、植物を生活へ取り入れる術を教えて下さる為に在店してくださいます。
http://araheam.com
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* 8/3(土)
LIFEオーナーシェフ相場正一郎さんが在店し、LIFEとEEL Products WネームのCook PantsとLIFEのオリジナルGOODSを販売します。
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* 8/4(日)
イラストレーターヒラノトシユキさんが、これからの季節にピッタリの”うちわ”にお好きな絵をその場で描いてくれるライブドローイングを開催いたします。
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*8/3(土) 8/4(日)
guuutara coffeeが、日本各地のロースターからセレクトしたコーヒー豆をハンドドリップにて煎れてくれます。
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この2日間は買い物だけでなく、前原さんや相場さんから貴重なお話を聞いたり、世界に一つのうちわや各地のコーヒーを味わえたりと心揺さぶるスペシャル2daysとなります。

2019夏の思い出として、新たなグリーンアイテムを空間の一部に取り入れる機会に是非お立ち寄りくださいませ。

 

 <開催日時と営業時間>*日によってオープン時間が異なりますのでご注意くださいませ。

2019年8月3日(土)-8月12日(日)

8/3(土) 12:00-20:00  8/4 (日)12:00-19:00(スペシャルイベントは18時までとなります。)

8/5(月)-8/9(金)14:00-20:00  (水曜定休)

8/10(土)-8/12(月)13:00-20:00

 

 <場所>

EEL Products Nakameguro

〒153-0043 東京都目黒区東山1-8-6 2F

03-6303-0284

2019.07.29

定番にならなかった洋服展 Part 2.

GUMGIM -2009AW-

LEQUEL 山下様より(http://www.lequel1412.jp

GUMGIMはミリタリーパンツを踏襲しつつ「ありそうでない」パンツ。シーズンを問わずあらゆるスタイルにマッチすると思います。
IMG_3405《製作時のエピソード》
昔イギリス領だったインド、そのインドからイギリス軍のパラフィン加工のDEADSTOCKを仕入れたが、生地の在庫に限りが有り、そのエコノミー版として国内でリップストップパラフィン加工の生地を作り、その2つの生地でこのパンツを発表しました。DEADがガンダム、日本生地がジム、2つ合わせてGUNGIMです。因みにこれはGIMの方ですが、見事な経年変化でとてもかっこいいですね。また、サイドの4つの大きなポケットはハンティングジャッケットなどに見られる仕様をパンツに落とし込み、本物の軍モノにはない雰囲気になっています。

太陽と月のベスト -2010AW-

太陽と月のベストはリバーシブルでその日のスタイリングに合わせ変えられるのが良い。特に出張時には着替え要らずでウールなのも上品で重宝します。
IMG_3419《製作時のエピソード》
このベストはサンプル作成に手間暇と時間を掛けたのををよく覚えてます。まずニット柄の資料を集め、そこから慣れないパソコンのイラストレーターを駆使し、イメージに近い柄を組み合わせてその柄に色を乗せ、あれでもないこれでもないと試行錯誤してできたデータをニッターさんと打ち合わせして修正を繰り返して出来た素材です。それを圧縮してるのでとても暖かく冬場に重宝するベストです。裏地はフリースで両面着用できるようにしているので名前は太陽と月のベストと名付けました。

E-Earl JACKET -2009AW-

t.m.p coop  浅見様より(https://www.tmpcoop.com

t.m.p. coopがちょうどお取扱いがスタートしたのが2009年秋冬。E-Earl(イーアール)ジャケットはエレベストや、AUN(アウン)-PANTS等と共に正に”豊作の年”にリリースされた僕にとっても思い出深いモデルです。当時はまだ自分も若く未熟でかっこいい服着てかっこよけりゃOKってノリからある程度年齢を重ねていく過程で、かっこいい服って何か肩ひじ張っていてなんかかっこわるいなと思い始めた転換期に出会ってしまったのがイールプロダクツの服。僕が思うイールの服のよさって計算された上での程よい脱力感。かっこよすぎないのがかっこよくて関係者に配られるルックブックの相場正一郎さんがこのジャケットにエレベストを着てディフェンダーに乗ってるスタイリングもまさに求めていた感覚にぴたりとはまると思って。で、このジャケットは生地もクラシックな千鳥格子のウールの生地で一見おじさんっぽいんだけど、ツィードよりも軽くて着やすく、まさにE-Earl(=気楽で高貴な)なジャケットで僕はオイルドのコートやミリタリーコートを着たりして冬はかなりヘビロテで着ました。革のソファに付いてた付属からヒントを得たというアンティークな風合いの革のボタンもお気に入りのポイントです。ボタンってやっぱり命で、ボタンひとつでその服の方向性を良くもわるくもするわけで、そんな事もあって、その後の陶器ボタンに繋がる布石になったジャケットじゃないかな?と思っています。
IMG_3434_《製作時のエピソード》
テーラージャケットの仕様や雰囲気を残しつつ屈強な働く男をイメージして作成しました。EasyでEarlなジャケットなのでE-Earlジャケットと名付けました。この頃は色んなことにトライアルしてました。このジャケットには使用してませんが 古びた風合いを出すため鉄サビ染み液で生地を染めたりしていました。知識も経験もなかったですが少しでも自分たちの想像に近づくために闇雲に創造していました。ですのでたくさんの失敗を経験しました。でもその時間やお金を費やしたことで勉強になったこともたくさんありました。このジャケットで使用しているレザーボタンもその一つです。そう言った意味でも忘れられないジャケットの一つです。 

ユーティリティーショーツ -2012SS-

IHATOVE  続木様より(http://ihatove-web.com

2012年リリースのユーティリティーショーツ。その名の通り使い勝手のよい、水陸両用のショートパンツ。販売当時は「水着としても使えます」というキャッチフレーズで提案していた記憶がある。その後数年経った今でも、水着として使っているというお客様の声をたまに聞く。かく言う自分も夏の旅行のお供に、毎年のように海へと連れ出した。宮古島でデビュー戦を飾り、マウイ島沖にあるモロキニ島、タイのナンユアン島、インド洋のソマリア沖約1,000kmに位置するセーシェルなど世界の海と戯れてきた。正直なところ本格的な水着と比べるとやや乾きが遅いが、南国の強い日差しと爽やかな風がすぐにそれを忘れさせてくれる。そして水着としてだけでなく、陸ショーツとしての顔も良いので、泳いだ後は着替えることなくそのまま行動できて便利だ。しかし昨年、恥ずかしながらウエストが合わなくなり突然の別れが訪れた。来年の夏、新素材で改良版をリリースしていただきたい。
IMG_3403《製作時のエピソード》
普段から頻繁に海やプールに行かない人は、突然の海やプールのお誘いの時に困らないように日々タウンユースでも履けて、そのまま水の中に飛び込めるショーツを開発しました。生地の表面は若干起毛している生地を選び、フロントジップ仕様でスラックス要素を足し、タウンユースで海パンを履いているように見えないようにしました。また海パンとして使用するときは、すべてのポケットに水抜きのハトメを付けて、股下はアクティブに動けるように クライミングパンツによく見るガゼットクロッチ仕様にしているのも特徴です。

ウエストターンJEANS -2004AW

LOFTMAN 山本様より(https://loftman.co.jp

いわゆるジーンズメーカーの出すジーンズと全く異なる発想で作られたジーンズに驚き!!でした。物の見方によってこうまで違ったアイテムが出来るって面白いな~って思った一本。ウエストは折り返すし、当時では珍しいシルエットの太いジーンズ。定番も良いけれどEEL Productsのこういった御茶目な一面が好きなポイント。
IMG_3411《製作時のエピソード》 
股上が深く普通に着用しても腰で履いているようなデザインでした。もともとこの品番のAがあってそれは、本藍のスラブデニムでそちらをガンダム、Bをジムとして展示会に出しました。Aのオーダーは3本くらいだったと思います。 Bは30本くらいだったと記憶してます。このパンツが時間や時代、気分など色んなものと衝突して砂浜デニムができたと思ってます。

AUN VEST -2009AW-

Poefu 柿本様より(https://poefu.com

この当時のイールプロダクツは毎シーズン「ベスト」がリリースされていていつもとても楽しみにしていました。表裏が異なる生地の袋縫いの代名詞と言えば「サクラコート」かもしれません。表裏でウールとコットンの異なる素材袋縫い縫製をしているという点とチェンジボタンでリバーシブルという利便性が「サクラコート」よりもマニアックかつ自由で面白い発想ながら良く出来ていると思うのです。表裏の異素材が「阿吽の呼吸」で成立しているから「AUN VEST」。イールらしさを感じるネーミングも素敵です。出逢った頃のイールの二人(高橋さんと澁谷さん)は私にとってビジネスパートナー以上に「いつも楽しそうにしている2人」その印象が強く展示会でも無いのに東京出張の二週に一度は会って新幹線の時間まで飲みに行くというのが恒例となっていました。
「お洋服は自由で楽しいもの」
長くこの仕事に携わっていくうちに忘れてしまいがちなその当たり前で最も大切なことをいつも教えてもらっていました。このベストの「阿吽の呼吸」は当時のイールの高橋さんと澁谷さんという故郷新潟からの同級生が当時まだ高円寺に一緒に住んでいて似ているようでなんだか異なる二人のあのなんとも言えない話の掛け合いやツッコミを思い出すことが出来る僕にとっては「隠れた名曲の懐メロ」のようなものなのかもしれません。。。。お洋服に名前やあだ名を付けたりそこに物語を添えていくこと。
今の僕のイールプロダクツからの影響が大きくて半分くらいはイールプロダクツの影響だからバファリンみたいな存在です。
IMG_3427《製作時のエピソード》
SAKURA COATの縫製に使われている袋縫いで作り上げたVEST。おそらくこのAUN VESTを発表したAWは、これの他にAUN CREWも同時発売したと記憶しています。柿本さんがおっしゃる通りAUNは「阿吽の呼吸」からネーミングしており、金剛力士たちの阿吽の呼吸のように、 表地のWOOL裏地のスエット地の、特性が異なる2つの物が合わさった時に、絶妙な掛け合わせで一体化するあの感じをこの洋服に込めまた。そんな強い思いとは逆に、袋縫いが生み出す、まるでアルプスの少女ハイジに出てくるペーターが着ていそうな可愛らしく柔らかい雰囲気が個人的には大好きで私もよく着ていました。

2019.07.27

定番にならなかった洋服展 Part1.

Bon Jacket -2010SS-

Euphonica 井本征志 様より(http://euphonica.yokohama

初めて購入したEEL Products製品です。清潔感があり汎用性が高く洗濯も可能と、あまりにも具合が好くて、事あるごとに着ていました。ここからEEL Productsを愛用するようになって、店をオープンしたとき(2015年)も取扱いブランドとして真っ先に候補とした経緯がありますので、とても重要な一着です。残念なことに中年太りが始まってしまい、ちょっと肩とかが窮屈になってきたので、デザイン、素材はそのままに、幅をちょっと拡げて復刻してもらえないかなと(笑)。
IMG_3461《製作時のエピソード》
お盆の時に初めて婚約相手の実家へ挨拶に行くときに着ていくジャケットとして開発。長距離いの座り移動でもシワになりづらく、夏でも着れるように洗える生地を選びました。また、フランス語の「BON=良い」の意味から、着た人が良いジャケットと思ってほしくてその想いを名前に込めました。このBON JACKETがベースとなり、定番のベルボーイジャケットが誕生したため、惜しくも生産を終了させました。

インディゴジャケット、インディゴスラックス、ベッドパンツ-2015AW&SS-

CHANTILLY-2F 鈴木 様より(http://chantilly-2f.com

インディゴジャケット、インディゴスラックスは直営限定の商品でしたが魅力的すぎて買いに行っちゃいました。元々のジャケットもパンツも大好きなパターンだったので。ベッドジャケットは こちらはようやく時代が追いついてきた感じです。数年前の商品ですが お店で着ているとよくお客様から「同じのないんですか?」と聞かれるくらいです。当時は全然人気がなSALE品でした。。 ベッドジャケットはインディゴジャケットと正反対の印象で同じパターンで生地が変わるとここまで印象が変わるのかとビックリしますね。そんな時代の先を行くEEL Productsの洋服が大好きです。
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直営店限定のインディゴシリーズは、鈴木さんのようにあれを展示会に出展してほしいといお声を多く頂いた商品でした。生地がGパンのような綾織ではなく、US NAVYのような平織り生地を使ったことで、着心地も見た目も軽さが出せました。ベットジャケットは、真夏に快適に軽く羽織れるジャケットをつくりたかったのですが、 普通にリネンのテーラードジャケットではつまらい。ならばシャツ生地でまるでパジャマを外着で着ているような感覚のジャケットにしたくて作りました。ただLOOKBOOKの撮影時にモデルの体調が優れなく、このベットジャケットの着用画像が 本当のパジャマのように写ってしまったのは、いまでは笑い話です。

ポケッタブルジャケット -2014SS- 

ミルブックス主宰 藤原康二様より(http://www.millebooks.net/index.html

夏場にクーラーがきき過ぎている場所で気軽に着られて、着ない時にはバッグにコンパクトにしまえる上着が欲しいとずっと思っていたので、ポケッタブルジャケットはまさにそれを叶えてくれた服でした。発売の案内をいただいてすぐに購入しました。夏場にカバンの中にずっと入れていて、急の打ち合わせなどでジャケットを着用した方がよい場面でも大活躍してくれています。随分着込んで新しいのが欲しいのですが、もう作らないということで、色を染め直しして(私が着込み過ぎて、随分と色落ちしてしまったため)ずっと愛用しています。しかし、かなりクタッとしてきたので、同じようなアイデアの上着をぜひ発表して欲しいと心から願っております。
IMG_3443《製作時のエピソード》
まさに藤原さんが言う通り、旅先にコンパクトに持っていけるように開発したジャケット。 しかし、あまりジャケットを丸めて持ち運ぶという事が定着しなかったのか、また丸めてできたシワも味となるように、あえてシワになりやすい生地を選んだのがわるかったのか、皆様にあまり浸透 しなかった。また、その何年後に懲りずにポケッタブルコートを発売した。しかもそれはポケッタブル時に首に巻いてイス枕になるスグレモノだったが、同じく定着せずあえなく生産終了。しかし、僕らは本当に優れた機能と思っているので、今後も懲りずに作り出していきい。

ピクニックシャツ -2009SS-

Snipe 鴫原様より(https://www.rakuten.ne.jp/gold/snipe/

シャツの裾を絞れるのはなかなか無いと思います。絞った時のふわっとしたシルエットが好きです。ポケット位置も絶妙。何故かこのシャツを着ると気分が上がってました。沢山着過ぎてドローコード部分が破けてますが気に入ってたので補強して着てました。
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着丈の長いシャツを、自分の好みにあわせて丈を変えられるように作ったシャツ。また、シャツをINすると上半身に熱がこもるので、裾を絞って内側にクルッと入れると、シャツをINしているように見え、通気性があるシャツとして好評でした。このシャツを継いだ着丈の長いシャツは、様々なカタチになりながら毎年発表しています。

スポールクルー -2018AW-

ソコノワ 松村様より(https://www.sokonowa.com/aboutus

所有していたvintageサーマルやワッフルがくたびれてきたところに丁度登場したスポールクルー。薄すぎず厚過ぎずの絶妙な生地感。現行のサーマルは化繊を含む混紡地が多い中、オールコットンは とても嬉しかった点で二枚買い。実際着用して店頭に立ってみると、女性の方にも購入いただき即完売したアイテム。
秋・冬・春とヘビーに着まわしたが、へこたれない。スリーシーズン使えるヘタラナインナー。再販を熱望するが、直してでも着続けたい一着。
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スポールクルーはデザインが先行の企画ではなく、この生地有りきの商品企画でした。松村さんがおっしゃる通り、コットン100%なのに縮みが少なく、何度洗っても生地の経年変化がない最高の生地なので、デサインは特に加えず、軍モノのインナーベースにより着心地を考え、縫い目の段差を極力少なくするフラットシーマで縫製しています。EEL Productsのスタッフも多く愛用し、皆が再販を希望する生地ですが、これを作っていた機屋さんは今はなくもう一度作れないでいるが、いつかは生地をリプロダクトを再販したい製品です。

ブルドックパンツ -2010AW-

ソコノワ高田様より(https://www.sokonowa.com/aboutus

足元が冷える私には手放せないパンツ。一度履いたらダメでした。
マストな暖パンです。
IMG_3456《製作時のエピソード》
以前からヨーロッパのVINTAGE軍モノが好きでしたが、VINTAGE WOOLPANTSは裏地が付いていなものが多く、チクチクするのが苦手でした。とは言えキュプラのツルッとした生地が冬場に履くと、とても冷たく感じてしまい、しかも膝下には裏地が無いものが多く、足元が冷えるので冬場のWOOLPANTSにどこか苦手意識がありました。
ならば、裏に肌触りのよいコットンを全面貼り巡らせてしまおうと出来上がったパンツです。あえてフロントポケットやバックポケットは無くし、カーゴパンツのような大きなポケットを上に配置することで、荷物を入れた時にまるでブルドッグの垂れ下がったホッペみたいなシルエットと、ブルドックの勇ましさと軍モノのディティールの雰囲気から『ブルドックパンツ』と名付けました。

Bon Blouson LUX -2014AW-

6DIRECTIONS 合六様より  (https://6directions.net/SHOP/g2704/list.html

元々、ミリタリーアイテムであるMA-1をベースにしながら、表地に上質なウールカシミヤ、裏地に艶っぽいポリエステルのフェイクファー、バタ臭くなりがちなアイテムを色気のある顔に仕上げたEEL Productsらしい1枚。
高橋さん、渋谷さんの言うファッションが自由で、楽しいものであることを再認識させてくれるアイテムだ。EEL Productsは遊びと本気のさじ加減、力の抜け具合が絶妙で、表現力の豊かなブランドだと常々思っているのだけれど、本質として洋服への愛情、品の良さがあるからこんな万人受けはしないであろう、ひとクセある洋服も僕は大好きで、ついついお客様にご紹介したくなってしまう。。
定番にならないアイテム=挑戦、という意味でも毎回楽しみにしている。
IMG_3446《製作時のエピソード》
BON 仏語で良いという意味。僕らの作る洋服はよくフランス語と英語や日本語をミックスした名前を付けたりしています。MA-1をベースに上品かつまた少しゴージャスな素材選びをした都会的なブルゾンです。
このジャケットの少し前に似た企画でスプリットパンツというとても暖かくて上品なパンツがありました。そのパンツはかなり個人的に重宝しました。あと僕の友人もそのパンツを気に入ってくれて色違いまで購入してくれました。ちなみにそのパンツは値段も高かったので少量の生産しかできませんでした。

エレファントデニム -2016SS-

TIBETAN MARKET 佐竹様より (http://tibetan-market.com

定番の砂浜デニムを初めて展示会で試着した時に、ジーンズを楽に穿けることに衝撃を受けました。(それまで個人的にジーンズはジャストで穿いて、いかにアタリを出すかという概念しかなかったと思う。しかし決してルーズではなく、ゆとりのあるワタリからキュッとテーパードの入るシルエットは上品な印象も持ち合わせ、今でもよく穿いています。エレファントデニムが登場した時も同じような感覚を覚えました。ストンとまっすぐ落ちるワイドシルエットは、オーバーサイズでジーンズを穿いた時のようなバランス。だけど腰周りはちゃんと合っている。ウエストの大きいパンツはベルトで締め上げると腰に生地がたまりゴワゴワに、、そんなことがない、ありそうでない名作パンツです。
IMG_3407《製作時のエピソード》
砂浜デニムというゆるいテーパードデニムとは一味違うデニムを作ろうと思い作成に取り掛かったデニムです。像の足のように太くて勇ましい様からエレファントデニムと名前をつけました。正直だれでも履けば似合うデニムではないと思うのですが、これを履きこなせる人とは仲良く食事ができると思ってます。あくまで個人的な意見ですのでご了承ください。
「ただ太いだけではなくなんか上品なんだよな」弊社スタッフが履いてると思います。

2019.07.12

定番にならなかった洋服展

定番にならなかった洋服展ビジュアル
 
この度、書籍イールプロダクツ出版記念として「定番にならなかった洋服展」と題しましたイベントを開催致します。
書籍に掲載できなかったプロダクツや過去のアーカイヴの展示、また会期中に書籍を購入して頂いた方にはカバー絵を手掛けたイラストレーター・日置由香氏の原画トートバックをプレゼント致します。
またとない機会になりますので是非ご来店下さい。

 

会期 2019年7月20日(土)~7月28日(日)

会場 EEL Products Nakameguro 〒153-0043 東京都目黒区東山1-8-6 2F 03-6303-0284

平日14時~20時 土日13時~20時 水曜定休

 

イベント内容

惜しくも本書の候補上がりながら掲載することのできなかったEEL Productsの様々な製品を一堂に集めてご紹介致します。

卸先様、関係者様、弊社スタッフが実際に着用しているアイテムを元に、好きなポイントや魅力についてコメントを頂き、またそれぞれのアイテムが誕生するまでの制作秘話を掲載し、製品と共に展示いたします。

ブランド設立16年間で様々なプロダクツを作り上げてきた中で、このような過去のアーカイヴをご覧いただける展示というのは初の試みであり、大変貴重な機会になります。

EEL Productsの歴史や世界観をより堪能できる内容となっておりますので是非お越しくださいませ。

※展示しているアイテムについて販売はしておりません。予めご了承下さいませ。

 

書籍イールプロダクツ

鮮やかなブルー地に白い裏地のスプリングコート〈サクラコート〉や愛らしいショート丈のゆるやかなデニム〈砂浜デニム〉をはじめ、数多くの新しい定番服を生み出し続ける人気のファッションブランド〈イールプロダクツ〉。これまでに作ってきた膨大な服から31を厳選し、それぞれのアイテムが誕生するまでの秘話を豊富な写真と共に紹介。専門的な勉強も、デザインの経験もないままブランドを立ち上げて試行錯誤を繰り返しながら洋服を作り続けてきた16年間の物語。ファッションに興味がある人はもちろん、何かを始めたい人にヒントになる役立つ話がたくさん!「こんな洋服があったら楽しいから作ってみよう」という発想でブランドを立ち上げた。僕は服飾の学校も出ていないし名のある師匠がいる訳でもないから継続できる根拠はなかったが、情熱は負けないと思っていた。ここに綴ったのは、泥臭く試行錯誤を重ねた、服ができるまでの格好よくない物語と、僕たちが考える格好いい服の姿である。(「はじめに」より)

日置由香(ひおき・ゆか)

イラストレーター。1973年愛知県生まれ。セツ・モードセミナー卒。インクペンを使用した線画を得意とし、繊細な人物表現に定評がある。雑誌、アルバムジャケット、雑貨デザインなど、多方面のイラストレーションを手掛けている。