2022.06.20

JUMP SHORTS


僕がまだ小学生の頃、月曜日の夕御飯を食べ終わると兄と一緒に歩いて

近所の商店に少年ジャンプを買いに行っていた。

その町の発売日は火曜日だったが、そのお店は予約している人だけに

月曜日の夜に販売していた。

店員さんに名前を伝え代金を払うと

お店の奥からピシッと新聞紙に包まれた少年ジャンプが手渡される。

ルールに反したデンジャーでシークレットなブツを

バイイングしている感じがたまらなかった。

気がつくと友達や近所の人達がぞろぞろとそのお店に集まってくる。

10台くらい並んだ自販機の光に照らされたみんなの顔は

ワクワクとニヒルが織り混ざっていた

“例の(予約した)ブツを受け取りに来たぜ”って感じで。 ブツを無事受け取り少しだけ友達と話して、足早に家へと帰る。

僕らは玄関でじゃんけんをして負けた方はお風呂に入り

勝った方はジャンプを読む。

そんな月曜日が繰り返され月曜日を待つ少年は、

月曜日を待つおじさんになったわけだがジャンプが

もし月曜日発売でなかったらどうなっていただろうと考える。

少し憂鬱な月曜日にジャンプがいてくれたから

僕らは無事におじさんになれたと思う。

そんな思いを込めたジャンプショーツ。

ジャンプを読んでこなかった人にも飛び越えて届いて欲しいものです。

KEEP JUMPING

追記 僕の住んでいた町も今は月曜発売です。